環境電位の意味と、それを使った節電技術の要点について
銅コイルに酸化被膜を形成するプロセスを「ナノコーティング」といいます。「ナノ」というのは「細かい」という意味で、最近ではいろんなところでよく使われるようになりました。ここでいう「コーティング」というのは被膜形成のことです。
プラズマテクノロジーにおけるナノコーティングで重要だとされている作業に、動画のような作業があります。
何をしているのかといいますと、銅コイルの直流電圧を測定しています。動画ではだいたい100mV程度を示しているようです。
電圧が出ているということは、このコイルが100mVに相当するエネルギーを出しているということになるわけですが、このエネルギーというのは実はコイルから出ているわけではなくて、環境由来のものです。ここでいう環境というのは動画のような状態を指すわけですが、ご覧のようにただナノコート中のコイルをビニール袋に入れてプラスチック製の容器の上に置いてあるだけです。コイルが濡れているのは、苛性ソーダの溶液に漬けて腐食させてからビニール袋に入れたためです。この状態で100mVに相当する電位差が生じたわけです。
では、この100mVの電位差とはいったい何なのかが問題となります。この電位というのは、電気(電子)とは異なります。
電気を水の流れに例えるとすると、水が勢いよく流れるためには、高さが必要です。例えば、滝は勢いよく水が流れ落ちますよね。あの水流が電流で、滝自体が電位差(電圧)に相当します。
つまり、上の100mVだけでは電気にはならないのですが、ここに一定量の電子が流入すると、はじめて「電気」に変わるわけです。
ですから、英語では電位差のことを「ポテンシャル・ディファレンス」といいます。日本人向けに直訳すれば「潜在的な(エネルギーの)差」ぐらいの意味になります。これに昔の人は「電位差」という訳語を当てはめたのでしょうね。
マグラブで「環境電位を整える」という言い方を私はよくしますが、別の見方をすれば、これは水流(電流)を作り出すための滝作り(高さ作り)をしているようなものです。その高さは、電気の場合には見た目の高さである必要はなくて、電位差をボルトとして数値化して表すことのできる客観的物理量として把握することができます。
そこに、交流電力の本質的特徴としてニュートラル側から漏出する微量な電子(の流れ)、配線システム内の熱エネルギーへの損失によって失われていたであろう電子(群)、ナノレイヤーのもつクーロン力によって直接空間から吸収された電磁的エネルギー、それらを再利用することで、「作られた滝」に水を流して、本流と合流させることで、いままでよりも少ない電力で川の本流を生み出すことができるわけです。
ここに、特に私の考えるナノテクロノジーを使った節電技術の要点があります。
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